日本性科学会研究倫理審査委員会規定

前文
 日本性科学会(以下「本学会)という。)に所属する会員で研究を実施する者(以下「研究者)という。)は,人を対象とする研究や疫学研究については,法令を遵守し,「ニュルンベルグ綱領」,「ヘルシンキ宣言」,「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省・文部科学省)」,「性の健康世界学会(WAS)倫理規定」等の趣旨に基づいて実施しなければならない。また本学会は適正かつ円滑に,研究の科学的妥当性と研究実施上の倫理的適合性についての審査を実施するために,会則第4条8項及び第24条に基づき,本学会に研究倫理審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。


第1 条 目的
 委員会は,本学会会員が行う人を対象とした性科学研究が人権に配慮し,安全で,かつ自由意思による参加の基に行われるか否かについて審査することを目的とする。


第2 条 委員会の位置付け
 委員会は,研究計画の実施等の適否及びその他の事項について,学会理事長(以下「理事長という。」)から意見を求められた場合には,その研究計画等の倫理上の妥当性について審査を行い,理事長に文書により意見を述べなければならない。
なお,審査を行うに当たっては次に各号に掲げる点を特に留意する。
 1) 研究対象者に対する人権の保護,権利擁護,および安全の確保
 2) 研究対象者に対するインフォームドコンセント
 3) 研究によって生ずるリスクと科学的な成果への理解と判断
 4) 利益相反に関する事項


第3 条 審査を申請する者の条件
 本委員会の審査対象は,申請者が会員であること,かつ申請者が所属する機関に研究倫理審査を行う組織が設置されていない,あるいは,やむをえない理由で研究倫審査を受けることができない場合であること,なおかつ,申請者の所属している所属長の承諾を得ていることを満たす者とする。


第4 条 委員会の構成
 委員会は,理事長の下に置く。委員の構成は,次に揚げる者の中から各1名以上を理事長が選び,委嘱する。
 1) 医学・看護学等,保健医療を専門領域とする者
 2) 心理・社会学等を専門領域とする者
 3) 大学または研究機関等の研究倫理審査委員会にて審査員の経験のある者
 4) 市民の立場の者
 なお,以下については必要に応じて委嘱する。
 5) 実験研究を主に専門とする者
 6) その他の分野を専門領域とする者
2.委員会は,学会員以外の者を含み,かつ男女両性で構成されなければならない。
3.委員の任期は2年とし,再選を妨げない。
 委員の退任等により後任者を補充する必要がある場合には,その任期は前任者の残任期間とする。


第5 条 委員会の運営
 委員会に委員長及び副委員長を置く。
 1) 委員長及び副委員長は,委員の互選によりこれを定める。
 2) 委員長は,会務を統括する。
 3) 副委員長は,委員長の職務を補佐し,必要があれば職務を代行する。


第6 条 議事
 委員会は,委員長が必要に応じて招集する。
 1) 委員会は,過半数の出席がなければ議決することはできない。
 2) 委員長が必要と認めたときは,案件ごとに委員以外の者の出席を求め,その意見を聞くことができる。
 3) 審査の判定は,出席委員の合意を原則とする。ただし,委員長が必要と認める場合は,議決をもって判定する。議決は過半数をもって決し,同数の場合は委員長が 決定する。
 4) 実施状況報告書を1年に1度,理事会に報告する。
 5) 委員が審査を申請している場合(共同研究者も含む)には,その者は当該研究の審査を行うことはできない。


第7 条 申請手続,判定の通知
 審査を申請する研究者は,所定の様式による申請書に必要な資料を添えて,理事長に提出しなけれ
ばならない。理事長は,申請に対して速やかに委員会に意見を求めなければならない。
 1) 申請者は,研究計画に関する説明を委員長から求められた場合には,委員会に出席し,研究計画等を説明しなければならない。
 2) 理事長は委員会の意見を尊重し,当該申請のあった研究計画等の可否を裁定し,その判定結果を申請者に通知しなければならない。
 3) 第2項の通知に対して,申請者は書面をもって,理事長に不服申立てをすることができる。理事長は,不服申立てについて,委員会に意見を求めなければならない。
 4) 申請者は,承認された研究等が終了あるいは中止した場合には,理事長に所定の様式により報告しなければならない。

申請書類はこちらからダウンロードして下さい。
様式1 性科学会研究倫理申請書  研究計画書
様式2 性科学会 所属長申請書
様式3 性科学会審査結果通知書
様式4 性科学会申請者用チェックリスト
様式5 性科学会利益相反申告書
様式6 性科学会研究完了報告書(最終)


第8 条 委員の守秘義務
 委員会の委員は,審査を行う上で知り得た個人及び研究計画等に関する情報を,法令に基づく場合など正当な理由なしに漏らしてはならない。


第9 条 事務局
 委員会事務局(以下「事務局」という。)を学会事務局に置く。


第10条 申請に係る経費
 審査もしくは再審査に必要な経費として, 各審査申請時に30,000円を前納する。


第11条 規定の改正等
 この規定の改正等については,委員会及び理事会の議決を経て定める。


第12条 運営要領
 この規定に定めるもののほか,委員会の運営に関し必要な事項は,委員長が委員会に諮り,かつ,理事会の承認を得て別に定める。


第13条 施行日
 この規定は,平成29年8月3日に学会理事会において決定し,同日から施行する。